リンゴ‘ふじ’におけるギ酸カルシウムの摘花効果を明らかにするため,頂芽花の摘花に及ぼすギ酸カルシウムの処理時期,処理濃度の影響について,また,頂芽花の蕾に対するギ酸カルシウム処理の影響について検討した.
人工受粉1時間前,人工受粉1および24時間後の1%ギ酸カルシウム処理により,頂芽中心花の結実は著しく抑制された.
人工受粉後の1%ギ酸カルシウム処理では,頂芽中心花の結実は,人工受粉24時間後処理で最も強く抑制されたが,72時間後処理では抑制されなかった.48時間後処理における結実の抑制程度は,両者の中間であった.
人工受粉24時間後のギ酸カルシウム処理では,頂芽中心花の結実は0.2~1%の濃度範囲の全濃度で抑制され,処理濃度が高い程結実は強く抑制された.
頂芽花の蕾に対するギ酸カルシウム処理では,1~3.3%のギ酸カルシウム処理,および1%ギ酸カルシウムの1または2回処理による頂芽中心花の結実は抑制されなかった.
以上のことから,リンゴ‘ふじ’に対する摘花剤としての ギ酸カルシウムは,人工受粉の前後から受粉後24時間までの期間に,1%程度の濃度で,開花した花の雌ずいを直接被爆させることが重要であり,そのことにより効果的な結実抑制が認められるものと考えられた.