6 巻 (2007) 1 号 p. 33-36
自生地で菌根菌接種ゲル被覆サギソウプロトコーム由来の実生個体に形成された球根から翌年も肥大した新球根が形成され,やがて発蕾・開花に至る可能性があるかどうか,また,自生地に生息する菌根菌にはサギソウ球根形成促進効果があるかどうかを検討した.
自生地に植え付けた球根から新たに形成された球根は約2倍に肥大した.サギソウの球根重が150 mg以上に肥大すると,半数が発蕾・開花することから,自生地で菌根菌接種ゲル被覆サギソウプロトコーム由来の実生苗から形成された球根は,5年後に発蕾・開花する可能性があると考えられた.自生地に生息する菌根菌にはサギソウの球根形成を促進する菌株も認められたので,その菌株をゲル被覆サギソウプロトコームに接種して自生地に設置することが望ましいと考えられた.自生地で形成される新球根をさらに肥大させるには,自生地の環境条件も検討する必要がある.