抄録
葉柄抽出液を利用した加温栽培‘デラウェア’におけるカリウム欠乏症の診断法を検討した.
小型反射式光度計で測定した葉柄抽出液中カリウム濃度と葉中カリウム含有率との間には正の高い相関があり,カリウム欠乏症診断に活用できると考えられた.また,開花期に小型反射式光度計で測定した葉柄抽出液中カリウム濃度が2,400 ppm以下では,この時に肉眼的な症状が認められなくても,カリウム欠乏症が発生する可能性が高いと考えられた.しかし,この時カリウムを供給することにより欠乏症の発生を回避できることが示唆された.