園芸学研究
Online ISSN : 1880-3571
Print ISSN : 1347-2658
ISSN-L : 1347-2658
栽培管理・作型
新規道具を利用したブドウ花穂整形の省力化
薬師寺 博上野 俊人東 暁史児下 佳子
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 7 巻 1 号 p. 81-86

詳細
抄録

ブドウ花穂整形の省力・軽労化を図るために,簡便な操作で短時間に花穂整形を可能にする道具(花穂整形器)を考案した.花穂整形器は,指示板中央部の両面に半円形の刃と指輪を取り付けた手のひらサイズの道具である.半円形の刃の間に穂軸を挟み,連結板で左右の支持板を固定した後,本体を上下に動かすことによって所定の支梗を切除できた.開花始期に対照区(ハサミ)と試作器による花穂整形の処理時間を比較した結果,‘安芸クイーン’および‘巨峰’無核栽培用の花穂整形において,作業時間を対照区の24~39%に短縮できた.また,‘巨峰’有核栽培用の花穂整形では作業時間を対照区の約35%に短縮できた.処理後の穂軸に大きな傷跡は残らず,果実品質にも影響は認められなかった.これらの結果から,花穂整形器を利用することによって,ブドウ無核・有核栽培用の花穂整形を慣行通りに行えるとともに省力・軽労化できることを示せた.

著者関連情報
© 2008 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top