2009 年 8 巻 3 号 p. 257-265
3種のブルーベリーの栽培が可能な東京において,64品種・系統について生育と果実の成熟・品質の特性を3年間調査した.主成分分析の結果から,5倍体のサザンハイブッシュブルーベリー(SHB)‘Pearl River’を除いて,ラビットアイブルーベリー(RB)だけのグループとノーザンハイブッシュブルーベリー(NHB)とSHBの混合のグループに分類された.主成分分析のNHBとSHBの混合グループの下方に分布したSHBの品種は,果実が小さく,クエン酸含量が少なく,糖酸比は高く,リンゴ酸の割合が高い特徴を示した.また,収穫日と開花日および収穫日と着色開始日との間に正の相関関係が認められ,NHBについては,収穫日と1果重,収穫日と全有機酸含量,収穫日とクエン酸含量との間に正の相関関係が,収穫日と糖酸比との間に負の相関関係が認められた.さらに,考察ではブルーベリー育種において交配親として有用と予想される各品種の特徴を評価した.