2022 年 4 巻 p. 41-48
九州産業大学では,2020年3月末から2021年1月末までの約10カ月間にCOVID-19の患者が学生,教職員を含め62人発生した。60人が学生である。九産大生の罹患率は,男0.684%,女0.286%であった。7月の学内クラスターが起こらずに済んでいれば,男の罹患率は0.539%となり,男女ともに,福岡県の20歳代の罹患率に比べて有意に低くなる。密や不要・不急の外出の回避,マスクの着用,手指消毒などの対策が効果を挙げており,学内クラスターの発生を防ぐことが今後の課題である。一方,福岡市や北九州市以外の福岡県在住学生の罹患率は,同条件の20歳代一般住民の罹患率よりも有意に高い。長時間をかけての遠距離通学が感染リスクになっていると考えられた。また,学生の不安に応じることも重要である。