2018 年 12 巻 2 号 p. 159-177
製造業では新製品を利益のある産業に育てる事が困難であるとされ、ダーウインの海として知られている。その克服には、顧客要求を適切に把握して技術開発と商品仕様に反映し、継続的に市場製品投入をし続ける生き残りライフサイクルの構築が必要である。本研究ではその困難克服の手段として、顧客要求反映と社内コミュニケーション向上をめざしCS経営と日本経営品質賞(JQA)の考え方を導入した。さらに顧客要求をベースに複雑系技術の戦略策定と商品開発体系に対してスキームモデルに立ち戻る、新たな全社組織体制と3Sモデルを提案した。株式会社リコー内でそのイノベーション手法の提案モデルを適用して有効性を検証した結果、新規事業継続拡大に対する困難克服の有効性が示された。