2006 年 1 巻 1 号 p. 51-60
高齢化の波が押し寄せ、介護や医療に誰もが不安をもっているだろう。年間1200件の医療事故の発生も予測されているが、医療は専門性の高い分野であり、個人(患者)としての対応は限られていると言わざるを得ない。しかしながら、医療は医師だけで成立するわけではなく、患者との協働作業プロジェクトでもある。このため、本論文では医療システムをプログラムマネジメントの場であると位置づけ、医療における情報構造を明らかとすることで、プロジェクトの顧客である患者の立場から医療管理システムを議論する。