抄録
企業を取り巻く競争環境の激化をうけて、企業は一組織ならびに、グループ経営の境界を越えて、他企業ないしは、他企業グループとの連携を通じた事業の取り組みが行われている。この新たな組織形態は、組織間関係のマネジメントとして論じられるが、その対象は一企業と一企業の狭い関係から、グループ横断的なSCM(サプライ・チェーンマネジメント)に至るまで幅広い。本稿では、環境マネジメントを組織間に拡げた予備的研究として、企業間での環境問題への対応、組織間関係、SCM、従来のSCMと環境対応が必要なSCMとの違いなどを、先行研究から検討を加える。その上で、P2Mによる環境配慮型SCMの展開の観点から、その概念フレームワークを構築することを目指す。