テーラー、メイヨー、ファヨールらの考えが、近代経営戦略論の源流と言われている。また、アンゾブ、マイケルポーター等々の戦略論も様々な事業の現場で極めて有用な論として存在することは言をまたない。しかし一方で、刻々変化する経営の現場では、機器-個人-組織-社会-国家間の様々なやりとり(=コミュニケーション)の不具合が原因となり、現実が上述の戦略論とかけ離れて進捗してしまうことも多くの人々が経験していることである。実際、一旦深刻なコミュニケーションギャップ(以下C-Gap)が発生すると、定常実務にとどまらず、プロジェクトやプログラムのマネジメントにも深刻な支障を来たす。本稿では、C-Gapを引き起こす原因を総括する。次いで、それらを予防、もしくはC-Gap発現後の悪影響を軽減する策について考察を行う。