2022 年 10 巻 1 号 p. 17-26
イノベーション曲線においてイノベーター、アーリーアダプターを領域での新規事業参入が注目されているが、自動車産業· 製薬産業などの巨大産業においては、イノベーション曲線の保守的な部位であるラガード分野における事業開発戦略もその市場の大きさから無視できない。企業の新製品開発のみならず事業開発においては、開発 · 製造 · 品質管理に関して、必要な社内調整をふくめて実行責任者の本社部長級のグローバルテクニカルマーケティングマネージャー(GTM)と日本支社に日本の自動車会社の営業取りまとめとして販売・社内外のお金の流れに関して、実行責任者のグローバルアカウントマネージャー(GKAM)の連携が重要であることが事例分析により示唆された。この事例に基づきドイツ系自動車部品企業複数社の組体制を分析するとラガード分野にて成功する組織には、共通パターンがあることがわかった。この成功組織例を念頭に自社組織を改革することで日本企業が海外展開する場合においても事業成功率があがることが期待される。