2022 年 19 巻 p. 17-31
本研究では、都心における社会経済的状況の変化を明らかにするために、三大都市圏の市区町村データを用いて統計的分析を行った。その結果、三大都市圏の都心においては、以下のような変化が共通して生じていることが確認された。第一に、都心においては、ホワイトカラー層が増加し、高所得層が増加するなど、社会階層の上層化が生じている。第二に、都心においては、子育て世帯の流入が生じている。第三に、これまで見られたような都心に高齢者が多いという傾向は失われつつある。一方、社会経済的状況の変化について、首都圏の都心において、高所得層がより集中する傾向にあることが確認された。