関西学院大学先端社会研究所紀要
Online ISSN : 2434-4613
Print ISSN : 1883-7042
論文
「似ている」とは「同じ」ではない
日独大学生の「幸福」についての評定
Florian CoulmasWolfgang JagodzinskiRie SuzukiAnnelene Wengler
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2012 年 7 巻 p. 1-16

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抄録

幸福に関する東アジア的理解は西洋的なそれとは異なり、これはアジア社会が集団主義的でありがちなのに比べて、西洋社会が個人主義を重視するからであるということ、そしてそれゆえに両社会における幸福の比較は難しいということがしばしば論じられる。幸福に関する人々の認識・評価・感情は東アジア社会と西洋社会とではどの程度異なるのか―これを調べるための一つの方法は、幸福のしろうと理論について検証することだろう。本稿は、日本人大学生とドイツ人大学生を対象に行った幸福に関する調査についての報告である。「幸福な人」“glücklicher Mensch”という二つの言葉の意味微分と質問票から得られた結果をもとに、各学生グループにどのようなことが幸福の要因になると信じられているのかについて述べる。また、調査結果は2つのグループ間には類似点と相違点の両方が存在することを明らかにしている。日本がドイツに比べて集団主義的な社会であるという概念に矛盾しないことを示す結果が見られたと同時に、これとは異なる見解を生む結果も得られた。日本とドイツにおける幸福の概念は、似ているとはいえ同一ではない。

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© 2012 関西学院大学先端社会研究所
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