関西学院大学先端社会研究所紀要
Online ISSN : 2434-4613
Print ISSN : 1883-7042
論文
フィリピン先住民族タグバヌアコミュニティの内発的発展を促進させる文化再発見型アクションリサーチ
高杉 公人
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2012 年 7 巻 p. 33-48

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抄録

本研究では、フィリピンの先住民族タグバヌア族コミュニティにおける内発的発展型社会開発の可能性を探る為に、タグバヌア族自身が文化を再発見し、それを強みとしてコミュニティを発展させることを目的とした「文化再発見型アクションリサーチ」を実施した。アクションリサーチとして、長老の歴史を聴いて書き残す「ライフヒストリーリスニング&ライティングトレーニング(LHLWT)」、フィールドワークで発見された植物の活用法を分析して、将来の農業開発を考える「農業再発見フィールドワーク」、長老とのディスカッションを通じて現在の海産物の活用を再考し、経済発展と海洋資源保 全を模索する「持続可能な漁業開発再考ワークショップ」、という3つのアクションを複合的に実施し、その結果をトライアンギュレーションして分析・考察した。その結果、伝統的な農法や漁業のプロダクトの活用等、失われつつある文化的価値を先住民族の若者が再発見して後世に残す重要性を確認し、それを将来的なコミュニティ発展に繋げるきっかけ となる動きが見られた。更に外部者である研究者や学生が、文化を強みとしてコミュニティを内発的に発展させるプロジェクトの後方支援を行い、文化を基軸とした内発的発展を促す可能性も示唆された。

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© 2012 関西学院大学先端社会研究所
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