関西学院大学先端社会研究所紀要
Online ISSN : 2434-4613
Print ISSN : 1883-7042
論文
国際文化交流機関の評価に関する研究
国際交流基金(Japan Foundation)の「日本語教育事業」の評価調査
真鍋 一史
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2012 年 7 巻 p. 67-97

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抄録

質問紙調査のデータ分析においては、「質問諸項目間の全体的な関連の構造に焦点を合わせる」という行き方と、「特定の質問項目あるいはそれら特定の質問項目間の相互の関係に焦点を合わせる」という行き方がある。筆者は、比喩的に、前者の側面を「森を見る」、後者の側面を「木を見る」と呼んでいる。ここでは、国際交流基金の日本語教育事業の「評価調査」の事例を用いて、このような調査事例における、「森を見る」タイプのデータ分析の有効性を例証する。それは、具体的にいえば、単独あるいは複数の質問項目から「尺度」を構成し、それら「尺度」間の相互の関係を示す「相関マトリックス」を作成し、それをL. Guttman によって開発された多次元尺度構成法の系列に属する「最小空間分析(Smallest Space Analysis: SSA)」の技法を用いて2 次元の空間に視覚的に描写するという方法である。このような「森を見る」タイプのデータ分析によって、国際交流基金の海外拠点における日本語講座――および大学の日本語授業――に対する人びとの評価が、「日本語講座への満足度」を起点として、「日本語学習のもたらす自己変革の実感」、そして、「日本に対するオリエンテーションのポジティヴな方向への変化」へと広がっていく、その軌跡が見事に描き出せるのである。

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© 2012 関西学院大学先端社会研究所
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