国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要
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観光戦略としての自然保全政策:ブータンにおける自然と人間の共生の可能性
豊田 哲也
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 3 巻 p. 1-11

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抄録

ブータンでは国土の51%が保護地域(国立公園あるいは野生動物保護区等)に指定されている。アジア諸国の中だけでなく、世界的に見ても極めて高いカバー率である。2008年制定のブータン憲法には森林率への言及もある。ブータンの積極的な自然保全政策の背景には、国際観光産業の振興を求めるブータンの独自の事情がある。しかし、ブータンの保護地域内には多数の村落があり、国家の観光戦略の実現のために地域住民との利益の調整が不可欠である。そのために、ブータン政府は、生活インフラの近代化によって地域住民から環境保護への協力を引き出すとともに、民泊の提供等の形で地域住民の参加させるエコツーリズムを推進している。ブータンの自然保護政策は、保護地域内に多くの住民を抱える他のアジア諸国にとっても参考となるであろう。

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© 2016 公立大学法人国際教養大学アジア地域研究連携機構
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