2021 年 46 巻 1 号 p. 40-48
新型コロナウイルス感染症による公共交通への影響が、未曾有の危機的な状況となっている。感染が急拡大した2020年春以降、都市内の公共交通はピーク期で半減、新幹線や航空、高速バス等の都市間の公共交通は、ピーク期で9割近く減少した。減少した需要は元に戻らず、さらに感染第2波、第3波の影響もあり、公共交通事業者の経営状況は危機的な状況に陥っている。本稿では、こうした公共交通事業への影響や人々の移動状況への影響をさまざまな視点から整理し、ポストコロナ時代の公共交通復活に向けた方向性を述べる。