大阪大学大学院文学研究科
2021 年 46 巻 2 号 p. 96-104
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聖武天皇の治世下にあたる735(天平7)年・737(天平9)年、深刻な被害をもたらした疫病が起こった。本稿では、この疫病の実態を多面的に浮かび上がらせることを目的として、その被害状況について確認した上で、その交通に関わる諸現象を中心に検討を行った。具体的には、疫病を退散させるための道饗祭、対外交通に伴う疫病流入の可能性、治療法を記した太政官符の伝達方法、藤原麻呂という貴族に関わる呪符木簡と奥羽連結道路の建設事業について取り上げた。
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