印度學佛教學研究
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中世日本陰陽道における神仏習合について
―― 『簠簋内伝』を中心に――
Athanasios DRAKAKIS
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2010 年 58 巻 3 号 p. 1293-1298

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抄録

本稿では,中世日本陰陽道の重要な資料である『簠簋内伝』における神仏習合の融合的なパターンを分析する.このパターンは主に仏教の神々ではない垂迹と仏教関係の本地を結びつく本字垂迹説に従う.しかし,『簠簋内伝』における神仏習合は神道と仏教の神々を結びつくだけではなく,十二支や十干などの陰陽道的な概念も取り込む.したがって,『簠簋内伝』における融合的なパターンは元来の神仏習合思想を拡大し,複雑な融合のパターンを発生する.『簠簋内伝』では神道神話・儒教・陰陽道の要素は仏教要素と融合し,本来違う思想体系からの要素は一つの習合的な思想体系に取り込んでいる.このシンクレティズムは中世日本思想の重要な特徴であり,中世日本哲学と神学を理解するためにそれを無視してはいけない.

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© 2010 日本印度学仏教学会
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