印度學佛教學研究
Online ISSN : 1884-0051
Print ISSN : 0019-4344
ISSN-L : 0019-4344
『集量論複注』第4章梵語写本研究報告
―― 『正理門論』の喩例部分の回収――
桂 紹隆
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 64 巻 3 号 p. 1237-1245

詳細
抄録

中国蔵学研究中心とオーストリア科学アカデミーの共同事業の一部である,ジネーンドラブッディの『集量論複注』第3・4・6章の梵語写本からの校訂作業に従事するようになって10年以上の歳月が経った.筑波大学の小野基教授,高陽東高校の岡崎康浩博士,オーストリア科学アカデミーの渡辺俊和博士・室屋安孝博士,京都大学のディワーカル・アーチャーリヤ教授他多くの研究者の協力を得て,三章すべての批判的校訂を終えた.あとは,出版可能な状態に整理する作業だけが残されている.同書の第1・2章の校訂本とローマ字転写本は,既にオーストリア科学アカデミーのシュタインケルナー教授のチームによって中国蔵学研究中心から出版されている.第5章についても,ウィーンで校訂作業が行われつつある.以上が,『集量論複注』梵語写本研究の現状である.本論考には,同書第4章の校訂作業と並行して行ったディグナーガの『集量論』と『自注』の梵語テキスト復元作業の結果,得られた『因明正理門論』の梵語テキストの断片の一部を文献学的ノートを付して,紹介した.さらに,付録として,拙稿"Rediscovering Dignaga through jinendrabuddhi,"in Sanskrit Manuscripts in China, ed. Ernst Steinkellner et al. (Beijing: China Tibetology Publishing House, 2009); "A Report on the Study of Sanskrit Manuscript of the Pramanasamuccayatika Chapter 3," IBK 59, no. 3 (2011)に公表した『集量論』第3章の偈頌の残りの部分と第4章の偈頌すべての梵語還元テキストを収録した.

著者関連情報
© 2016 日本印度学仏教学会
前の記事 次の記事
feedback
Top