印度學佛教學研究
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バーヴィヴェーカの知覚論
斎藤 明
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2006 年 54 巻 3 号 p. 1212-1220

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抄録

バーヴィヴェーカ (Bhaviveka, 490-570頃) は,『中観心論』第5章において, 唯識無境説および遍計所執性 (構想分別された性質) 批判に関連して, 世俗の立場からという限定つきながら, 自らの知覚論と意味論を展開する. その知覚論によれば, 元素の集積したものが認識対象 (alambana 所縁) となり, それはまた, それに似た顕現をもつ知の原因 (tadabhamatihetu) でいうかたちあるという (kk. 35-36). 視覚の対象は色形 (rupa) であり, それはまた, 音声や香り等の色形でないものから区別された, 基体 (vastu) として顕現する知の活動対象 (gocara) であるともいわれる. そのような色形はまた, ―縄を縄として認識するような―分別知の対象として存在する.
本論文は, このようなバーヴィヴェーカの知覚論の特色に焦点をあて, かれが後代に得た「経 [量部] 中観派」という呼称との関連を考察する. その上でまた, 知覚論の視点からみた説一切有部, ディグナーガ, およびダルマキールティ説との連続性と異質性の一端を跡づける.

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