人間の表情は,コミュニケーションにおいて様々な情報を伝える役割を担っている.遠隔地とのコミュニケーションで,このような情報を伝えようとする際には,テレビ電話・テレビ会議システムなどが使用される.しかし,画像圧縮技術の高度な進歩をもってしても,画像の伝送はコストのかかる処理である.そこで,表情に着目した顔画像の知的符号化を用いて,数100 bits/secの極低ビットレート動画像通信の実現を試みた.送信には,数個の特徴的な表情の学習が行われたニューラルネットによる顔認識結果の出力層出力値を符号化情報として送信する方法を用いた.受信側では,送信側と同様の送信者の特徴的な表情数個の既知画像を,送信された情報を元に種々の割合でモーフィングすることによって表情を合成する方法を用いた.これによって,良好な表情の再生画像が得られた.
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