電氣學會雜誌
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小特集:半導体製造プロセス技術と計算機利用
I. 最近の半導体製造プロセス技術概要
遠藤 伸裕
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1986 年 106 巻 3 号 p. 209-214

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抄録

一見複雑極まりない半導体製造プロセスも,要素プロセス技術ごとに分けることができ,「加法」「選択」「減法」各操作順に従い構成される。主な要素プロセスとして,成膜,リソグラフィ,ドライエッチングに関する最近の技術を紹介した。また,半導体デバイスに目的とする性能を与える上で,独立した要素プロセスをつなぎ合せたデバイスプロセス技術は欠かすことができない技術である。現在では,配線,素子分離,不純物の高精度制御などがこれにあたる。これらの二つのプロセス技術は車軸の両輪の関係で,どちらかの技術のどの手法かが劣っていても流足したデバイス特性を得ることはできない。
電子計算機は,ハードとソフトの両面でプロセス技術に刻々と取り入れられている。計算機があってはじめて実現できたものや,計算機が付加機能として用いられて装置の自動化,精度の向上に寄与したものとがある。更に,シミュレーション技術は高速電子計算機の存在によってもたらされた新分野で,プロセス技術を側面から支える柱である。
このように,LSIの高密度化はプロセス技術をはじめとするあらゆる技術が高度化することを強いるものであるが,そのときこそ,あらゆる分野に計算機の利用が拡がるものと考えられる。

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