電氣學會雜誌
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高壓送電線の充電と發電機の自己勵磁現象に就て
高橋 正一
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1924 年 44 巻 432 号 p. 683-715

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抄録

近年高壓、長距離送電が追々發達して來るに伴ひ、送電線の充電々流も増加し、爲に無負荷充電の際等に發電機反作用の爲、所謂自己勵磁の現象を起し、偶々異常高壓を呈することあるは周知の事實である。
此の電壓上昇は、通常送電線の無負荷充電特性曲線及發電子電流による飽和曲線より説明されて居る。本編は先づ其の兩特性曲線の性質について論じた。
發電子電流による飽和曲線は無負荷飽和曲線及び短絡特性曲線より圖示的に求められ、發電子漏洩「リアクタンス」を知れば一暦精確に求められる。又多少の界磁電流ある場合の特性曲線も同様に圖示的に求められる。
實際の交流機に就いて、實驗をなしたるところ、此の圖示的な方法とよく一致する結果を得た。著者は更に此の方法を大同及京濱電力の實際の送電線の試驗記録に適用して相當よく一致するのを確めた。
此の方法は三相及單相の何れの場合にも適用し得るものである。尚自己勵磁に關するも諸種の問題にも論及した。

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