電氣學會雜誌
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誘導型保護繼電器の働作特に其の浮動作用に就て
八木 秀次日根野 漠
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1925 年 45 巻 444 号 p. 545-555

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抄録

誘導型繼電器に對する温度の影響は豫想外に著しきものあり、特に小電流に對して大いに時限を變ずる。
過電流による圓板の角變位を神谷知足氏の實測よりも正確なる方法を以て記録したるに、圓板の孔の作用が極めて明かに認められた。
過電流を斷續的に流した時に圓板が前進後退を繰り返しつゝ最後の接觸點に到達する有樣を特別の記録装置を作つて記録した。
或る小電流と或る過電流とを交互に流すに廻轉型コンミユテートルを用ひ、時間の比を自由に變じ得るやうに、又た遇期を0.03秒から15秒の間に任意に變へ得るやうに装置した。
過電流が時限よりも短い時間だけ續いてから中絶し、圓板が完全に復歸せざる間に次ぎの過電流が來たならば第一回員は時限よりも小なる時間で接績を作る。一般に斷續的過電流によつて動作する時の運動を明かにして、時限が不確實となる場合即ち繼電器の浮動作用の起る場合のある事を示してある。

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