電氣學會雜誌
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電氣鐵道に分捲廻轉變流機の採用を薦む
石山 龍雄
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1925 年 45 巻 448 号 p. 958-964

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抄録

電氣鐵道に於て、運輸系統の擴張に伴ひ、變電所の数及び容量は益々増加する。從つて一變電所内に多くの廻轉變流機の並列運轉、又は廻轉變流機を牧容する變電所相互の並列運轉の必要が起るが、今日一般こ使用せらるゝ複捲式の廻轉變流機を以てすれば、屡々種々の面倒に遭ふであらう。尚又現今の遠距離電氣鐵道の標準直流電壓1500ヴオルトを、50乃至60サイクルの交流電源より得る爲めに、端末電壓750ヴオルトの二臺を直列に接續する廻轉變流機の數組を並列運轉するに當り、複捲式を以てすれば接續の複雜、配電盤器具の増加を免かれない。之等の不便を避けるには、分捲式廻轉變流機を使用すれば良いのである。署者は分捲廻轉變流機の採用の際に、最も懸念せらるる直流端末電壓の負荷に由る降下をヴエクトル圖法ち實驗に由り調査したるに、他機に比して少ないので本稿を草した。本稿は次の三節に分けてある。
(I) 分捲廻轉變流機採用の必要。
(II) 分捲廻轉變流機の直流端末電壓の降下。
(III) 分捲廻轉變流機に使用すべき附屬變壓器の適當なるリアクタンス電壓降下。

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