電氣學會雜誌
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沿面火花放電による高周波振動に就て
望月 重雄
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1927 年 47 巻 464 号 p. 257-264

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抄録

交番電壓に依る沿面火花放電が、所謂短波長の減幅電氣振動を發生する事實は、先に西博士により認められ、報告せられた所てあるが、周波數に競いては、精確に測定されて居らなかつたやうである。本報告には、主として該周波數に關する、著者の實驗結果を述べんとするのである。測定の結果によると、沿面放電により、變壓器の高壓捲線を通じての主回路並に高壓捲線の大地に對して有つ靜電容量を通して、電壓側の接地點に到る副回路に發生する、高周波振動電流の周波數は、回路の常數によつてのみ定まり、放電の状態には無關係である。
猶ほ、絶縁材料のbreak-down voltageに近き一定電壓を加へる場合には、振動電流は時間と共に増加するが、その周波數は殆んど不變愛であり、絶縁物の靜電容量は殆んど變化しない事を想像させる。
更に、電極と絶縁材料との間に適當の空氣層を殘す時は、空氣層のない場合に比し、遙かに強き振動電流の發生する事が認められる。

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