電氣學會雜誌
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不完全な絶縁體に於ける電氣現象の理論に就て
拔山 平一
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1927 年 47 巻 464 号 p. 306-324

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抄録

電導率と誘電率との比が到る所一定である樣な空間では、部分的瞬時現象は簡單なdiv KG={div KG}t=0ε-4πAt……(5)なる式で表はされる。
此分部的瞬時現象の消失した後に於ては、定状態電場は導電流場として定まり、電壓變位場は之に附隨して定まる。周期的定状態又之と殆んど同樣である。然して見掛上のComplex inductivecapacity K'はK'=(1-j4τη/ωK)K……(54)茲にKはcomplex inductive capacityで、ηは電導率である。
電導率と誘電率との比が到る所一定であると云ふ條件が滿足されぬ時は、部分的瞬時現象の消失した後に於ては、定状態電場は導電流場として定まりρ=-η/4π(▽V,▽K/η)……(73)なる實電氣の空間分布が生ずる。周期的定状態を定むるfield equationはdivη▽V=η/j-ωτ(▽V,▽ωτ)……(79)茲にVは靜電位のcomplex effective value,ωは加へられた電壓の角速度、ηは電導率、τはrelaxation timeである。此他永久電位變位、之を定むるTensor ellipsoid、電氣吸收等の問題の大異の理論を述べてある。

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