電氣學會雜誌
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交流回路に於ける火花放電の研究
西 健本多 侃士鈴木 松雄
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1927 年 47 巻 471 号 p. 1130-1148

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抄録

本編は空氣中の火花放電現象に關する論文で主として非對稱電極に交番電壓を加へた場合の放電現象に關する研究を叙述したものである。
最初に火花放電現象の大要述べ、火花閃絡の成立するに必要なる條件をして第一に火花間隙の何處かに空氣の局部破壞が發生するに充分なる強さり電界が存在すること。第二に此局破壞が進展して火花間隙全路の破裂までに發達し得る環境が存在すること。等を擧げ、此第二の條件に就き詳論し、その成立するか否かは火花間隙を含む全回路の一部又は全部の安定又は不安定に依り決定せらるべきことを述べて居る。
次に球状電極に關する研究としては直徑に比し間隙の大なる場合に就ての實驗成績を述べ、直徑1cmの球状電極對平面電極の交流火花電壓が外見上極めて不整なる如く見ゆるも、詳細に觀察すれば實際に於て放電の發生したる電壓値(瞬間値)はM. Toepler氏の得たる直流放電發生電壓に甚だ近きことを見出して居る。
次には放電々壓に對する氣流の影響就て研究した成績を述べてある。即注射針の如き管状電極の先端と平面又は球状電極とを相對せしめ、其の先端より空氣を吸入せしむる時は放電電壓が著しく上昇せる事實を發見しその解説を加へた。
最後に電極を廻轉せしめた時の放電電壓の變化に關する實驗成績を附け加へてある。

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