1927 年 47 巻 473 号 p. 1367-1380
電動機を無負荷にて起動すると靜止から全速度に至る間の各瞬間に於て其の時々の速度に應じた廻轉力を發生し之が廻轉部分を加速せしむるに消費せられるのである。今電動機に定磁束直流發電機を直結して其の起電力により可動線輪型反照電流計を振らせると速度に比例した振れを生ぜしむることが出來る。又蓄電器を經て他の可動線輪型計器にその充電電流を通せば加速度に比例した振れを生ぜしめ得。然るに電動機の加速度はその廻轉力に比例するから、此の二つの振れを適當な鏡の組合せで互に直角方向に生ぜしめて寫眞乾板に記録せしむると廻轉力-速度曲線を得られる。其外縦軸方向に夫々入力、電流、出力に比例する振れを生じ横軸には速度に比例する振れと組合はすことにより單に數回電動機を無負荷で起動するだけで其の速度特性を定むるに必要な曲線が得られる。本文はその方法と七馬力半の三相誘導電動機について實驗的に得た結果とを示し最後に此種の方法に於て起るべき誤差について概念的説明を與へてある。