電氣學會雜誌
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北千島に於ける空電の測定
長島 正隆松平 初太郎
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1928 年 48 巻 476 号 p. 277-283

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抄録

1. 空電の研究は無線通信の立場からのみならず航空技術の方面からも重要な事である事は既に本誌上に發表せられた、各其方面の專門家の研究に依つて示されて居るので、此處に北千島の空電測定の結果を發表し幾分なりとも參考に供し度いと考へるのである。
2. 測定は單一指向性を有する7700米の受信裝に依つた。
3. 測定方法は、空電の強度は受話器の並列抵抗及空電の毎分の平均數に依り、方向は東西南北を更に二等分し八方向に依つて測定した、次に空電の種類はGrinding, clicks及Hissingの三種に分けて見た。
4. 上記の測定に依つて得た結果は大體次の通りである。
a. 空電は書間よりも夜間に於て強く、又六月より順次八、九月に至る程強くなつて居る、之は一般に知られたると何等變りは無い。
b. 方向は主として本島及カムチヤツカ半島の山岳方面から來るものが多い樣に思はれる。
c. 空電の種類は主としてGrindingでありClicks及Hissingは少い。
d. 氣象の變化との關係に就ては何等特記すべき事實を見出する事は出來なかつた、唯雷鳴及にはか雨の直前にHissingの強烈なのがあつたのみであった。

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