電氣學會雜誌
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雙橋無線局に於ける空電測定
木名瀬 松壽前田 又一齋藤 健治
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1928 年 48 巻 477 号 p. 427-445

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抄録

双橋無線局に於て毎月空電測定を行ひ、滿一個年に及んだので、其の結果を發表することにした本文には使用機器、測定方法、測定結果を述べてあるが、其の結論は次の通りである。
a) 一般に空電の波長は長 離通信用波長に比して一層長いものと思考せられる。
b) 空電の強度は夕刻から夜間に亘つて強いが、當地の樣に夏季空電中心が附近に現はれる處では、午後反つて夜間よりも強勢な場合が少くたい。
c) 空電の量と強さとは必ずしも一致しない、量の少い方向から屡々強勢なclicksの來ることがある。
d) 空電方向は時節に依つて變るのみでなく、時間に依つても移動するものである。而して其の移動は太陽の位置と密接な關係がある。
e) 空電方向は夏季には方位不明となる場合が少くないが、春秋季及び冬季には南又は西南(或は東南)にある場合が多い。但し冬夜西方或は西南から相當強勢なgrinderの來ることが屡々ある。
f) 毎月の平均方位は大體暑氣に從つて南から西に移動する傾向にあるが、冬季の平均は可成り西南に偏して居る。
g) 當所に於て指向受信アンテナを使用すればBolinas受信に對し約四割、歐洲諸局受信に對し約三割の空電減少を見込み得る。

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