1928 年 48 巻 482 号 p. 943-959
電氣收塵器内の煙塵の荷電作用の理論に就ては、イオンの熱運動のエネルギーに基礎を置いた説と外からの電氣力を主因とする説との二説あるが、著者は半徑1.10-5糎程度より大きい煙塵の荷電量は主として電氣力に依つて定り,其札以下の小煙塵に於て初めて荷電量が熱ヱネルギーに依つて左右される事を理論的に導き、大きい煙塵の一例としてセメント煙塵に就て、其荷電作用が電氣力によつて定まる事を推定せしむる二三の實驗結果を示し、併せて斯樣な荷電作用の性質が實際の收塵器に於て如何なる形で表はれて來るかにつき實驗上の結果を示し收塵器設計上の參考に資せんとしてある。