抄録
低氣壓状態下に於ける鉛蓄電池の特性を研究する研究一系の一部を成すもので,本論は其の第二報告である。
ペーステッド式陰極板並に陽極板の極板容量を低氣壓(水銀柱:13粍)下の各種の放電率に就て求めたものである。
氣壓13粍の低氣壓放電に於ては陰極板容量は常壓(760粍)下のそれに比較して増加するが其の増加割合は10時間放電率の7.7%増加より10分放電率の9.9%増加にいたるまで僅か2.2%の増加であつて放電率によつては増加率は殆んど影響をうけないのである。
然し陽極板の方は之と反對に10時間放電率の15%増力より30分放電率の6.0%増加に至る迄9.0%の變化をして,低氣壓放電にもとづく極板容量の増加が放電率によつて甚だしく影響をうけることを示してゐるのである。