電氣學會雜誌
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陰極線オッシログラフによる衝撃火花放電々壓の測定
山田 次郎西澤 秀雄
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1934 年 54 巻 551 号 p. 578-584

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抄録

本研究に於ては一定の波形を有する衝撃電壓を球状火花間隙に加へ,その放電々壓をデュフォール型陰極線オッシログラフの像高より決定し,以て間隙長と放電回數と放電々壓との關係を求めた。Peek氏は球状間隙を用ひた場合に10回に1回放電する電壓と10回に10回共放電する電壓とは同一ならざるも,その差は纔か1%程度のものであるとせられたるも,本研究の結果によれば一定間隙長の場合の放電々壓は,本實驗の範圍内にてはその最大値と最小値の比が4乃至6程度の大なる開きを見る。若し此の間隙を紫外線で照射すればより低い値の一定放電々壓に落着く。然るに紫外線で照射せぬ場合でも或る電壓範圍にては10回に何回放電を起す確率ありといふ事は示し得るものにして,紫外線照射の場合の放電々壓は不照射の場合に10回に+0回放電を起す確率あり,これを最低限度としてそれ以上の或る電壓値との間にて放電の起る確率は10回に何回ありといふ事は示し得る。筆者等は間隙長を次第に變じて各間隙長につきて100箇つつの陰極線オッシログラムを撮り,間隙長と放電々壓と放電回數との關係曲線を得た。その結果次の結論を得るに至つた。(1)眞の放電々壓と見掛けの放電々壓(放電を起し得べき最小衝撃電壓の波高)とは相當の差異あること。(2)放電回數を少く限定する程兩者の値は相接近すること。(3)紫外線を以て照射すれば回數に無關係に一定なる放電々壓となり,從つて眞の放電々壓と見掛けの放電々壓と合致すること。(4)火花の遅れを生ぜざる程度の急峻ならざる波頭を有する場合には波頭の急峻度を増す程放電た壓は低下すること。(5)從つて火花の遲れを生ずる程度の急峻なる波頭を有する場合に火花の遲れの基點を直流若しくは常用周波數の交番電壓を以て定めたる定常放電々壓値に採るは不合理なること。

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