1935 年 55 巻 558 号 p. 17-20
直徑の異るこつのソレノイダル•コイルを同軸にして重ね合せ並列に接續したるもの之を二層並列ソレノイダル•コイルと名付け,同じく直列に接續したるものを二層直列ソレノイダル•コイルと名付ける。之等2種のコイルが之等と略同様なインダクタンスをもつ單層ソレノイダル•コイルに對する優劣を形體の大小及び電壓擴大係數(損失係數の逆數にして以下單に擴大係數と云ふ)を以て比較したものである。
二層並列のものにあつては之と略同様な外形を有する單層ソレノイダル•コイルに比し擴大係數を大ならしめる事が出來る。又二層直列のものにあつては擴大係數を僅か犠牲にする事により形體を著しく縮小せしめる事が出來る。
かゝる特長は細線又は撚線を用ひ内外コイル層の間隔を適當に選ぶ事によつてよく發揮される。
組織的研究は目下續行中で今回は單に如上の性質を紹介するに止める。本文は昭和9年4月7日聯合大會に於て講演したものを整理したものである。