此の種光電池は實用上種々の點に於て便利なものであるが,その持つ大なる缺點は疲勞現象のあることである。筆者は實驗的に製作した多くの光電池について此の現象を觀察し,出來るだけ疲勞現象の少い状態として如何なる方法を選ぶべきかを明示してゐる。他の製品についても實驗したのであるが,亞酸化銅の場合には疲勞現象は豫期に反し全然反對の結果を示すことが分つた。畢竟するに或る種の光電池によつて測定上疲勞を少くするには其の光電池の特性を一通り種々の回路,照度に於て實驗して見るべきである。それは製作所が異れば違つて來るからである。尚こゝに述べる所のものは皆暗所より突然一定の照度に曝した時の疲勞の度(%)を出して居るので,實際は照射されつゝ實驗される場合が多く,從つて,本文に示す疲勞の實測値は最大のものと見て差支へない。