電氣學會雜誌
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電弧開閉によつて生成するガス並に膠質状炭素の定量と絶縁鑛油處理に就いて
伊藤 忠雄
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1937 年 57 巻 584 号 p. 177-179

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抄録

著者は曩に,長期使用により劣化し,現存の諸法にては再生,若くは回收の見込の無くなつた廢棄油を,水銀柱凡そ10-5mm程度の高度眞空中にて蒸溜精製し絶縁油として回收する研究(1)と及び本法よる回收油の諸性質(2)とを發表したが,本報告に於ては更に開閉器油としての性質に關して研究した結果を發表してゐる。今其の結果の概略を摘記すれば,電弧閉閉により電路を開閉する場合に生成するガス及び膠質状炭素の量は,原絶縁油よりも該回收油に於て,前者は約5-10%,後者は10-20%の減少あること,及び該回收油は其の蒸溜以前の劣化の程度高きもの程此の傾向が大なることを實證し得た。次にガス發生量と炭素生成量との間には一定の關係がある,即ち1mlのガス發生に對し炭素4.4×10-4-5×10-4gを生成することが明確となつた。之等の結果を得た理由に就いては,劣化し使用不能となつた絶縁油を高度眞空中にて蒸溜回收すれば,該回收油は原絶縁油よりも飽和炭化水素の豐富なるために獲得せられるものであると思考して居る。

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