抄録
長時間運転をすることでドライバーに疲労が蓄積しそのことによって、道路標識の発見、障害物の認識などに影響があると考えられる。明滅光は交通信号として広く用いられていることから明滅光に着目して実験を行った。実験は暗室内にて行った。17インチのディスプレイを被験者から50cm先に設置する。101個の刺激光が表示され、マウスダウンによりそのうちの1つが明滅を開始する。被験者は明滅光を発見した瞬間にマウスアップしその間の時間を測定する。被験者には運転代用タスクとしてビジランス作業を行った。ビジランス作業はある条件がそろったときにのみ反応をするものであり、作業内容が運転に近いことが明らかにされている。ビジランス作業時間を変化させて、明滅光探索時間との関係を調べた。実験結果からビジランス作業時間が長くなるにつれて明滅光探索時間が長くなった。このことは長時間運転による疲労が危険物などの発見を遅らせることを示唆している。