照明学会 全国大会講演論文集
平成17年度(第38回)照明学会 全国大会講演論文集
セッションID: 27
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キセノンICP光源における放電のモード移行
*ダガング アハマド ナズリ乾 秀次本村 英樹神野 雅文
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抄録
本研究では無電極と無水銀光源の開発を行っている。放電形式としては、誘導結合型放電(ICP)を応用し、封入ガスは環境に無害である希ガスのキセノンに着目した。ICPは半導体プロセスやエッチングなどにはよく応用されているプラズマ生成方法の一つであり、低電子温度、高電子密度などの特徴を持っている。近年ICP放電を用いた光源の開発が進んでいる。長寿命という最大の利点を持ち、水銀を封入したランプは松下などにより実用化された。しかし、水銀は環境に悪影響を及ぼす可能性があるため、ICPランプの無水銀化が求められているが、まだ実現に至っていない。本実験では、キセノンを用いたICPランプの開発を行い、そのICP放電の基礎特性であるモード移行(Eモード、Hモード)について検討した。円筒型放電管を使用し、ガス圧を1_から_150 Torrに変化して、電力を上げながらモード移行前後の輝度の変化を記録した。実験を行った結果、ガス圧が高いほどモードの移行点が高くなった。高いガス圧では高輝度が得られたが、高輝度であるHモードを得るには高電力も必要になった。逆に低いガス圧では小さい電力でHモードに移行したが、光源として必要な輝度の値には至っていない。ICP放電をキセノンランプに応用するために、高輝度であるHモードでの放電の維持が必要となる。回路、アンテナなどを改良して、高いガス圧でいかに小さい電力でモードを移行させることが課題となる。
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© 2005 照明学会
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