HIDランプは運転時間に伴って発光管が黒化し照度が減少することが知られているが,その他にも劣化の指標となるものがあればより正確な寿命予測が可能と考えられる.また,それらの測定手段も簡易なものであれば今後大いに普及するものと予想される.本研究では電力投入時のグロー放電期間について高速度カメラを用いて25 ℃に保たれた実験室内で測定した結果,ランプ劣化に伴って放電期間が延長する傾向があることを発見した.そこでこの劣化とグロー放電との相関が新たな劣化の指標となり得るか調査をすると,ランプの運転履歴によらず照度の減少に応じ放電期間が延長しており,この関係をランプ劣化の指標として用いることが可能と考えられる.またこのグロー放電期間は高速度カメラを使用しなくても,電子バラストにより決定されるのでこの時間をモニターすることによりランプの劣化状況を知ることができる.そのため,今後詳細な検討を行うことにより寿命予測の手段として大いに普及する可能性がある.