抄録
ディスプレイなどの映像端末からノイズとして放射される漏洩電磁波を傍受することにより,表示画面を再現する実験を行った.パーソナルコンピュータを対象とし,以下の三つの手段を用いて表示画面の傍受を試みた.(1)近磁界プローブを端末に接触させた場合.(2)離れた場所からアンテナを用いた場合.(3)端末の電源ケーブルにインジェクションプローブをはさんだ場合.(1)の結果から,画面傍受が可能なだけでなく,ビデオ信号の同期周波数に関する個体ごとの僅かなばらつきによって,ターゲットの弁別が可能であることを示す.(2)の結果から,VCCIで規制対象となっている1GHz以下の周波数でもターゲットから4m離れた場所から画面傍受ができること示す.(3)の結果から,ACアダプタとプローブの位置関係が実験に影響を与えることを明らかにし,ターゲットから30m離れた電源ケーブルから画面傍受ができることを示す.