2015 年 44 巻 1 号 p. 85-92
本論文では,粒子間相互作用力と位置ベース流体計算法を用いた水滴のシミュレーション手法を提案する.粒子法の一種であるSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法を用いて液体全体の振る舞いを高速に計算し,そして,粒子間に力を働かせることで表面張力の影響を安定して計算する.また,固体表面に位置が固定の固体粒子を設置し,流体粒子の物理量を計算する際に固体粒子からの影響も考慮することで固体とのインタラクションを可能にする.さらに,表面張力と接触角の関係を用いて水滴の形状を接触角によって制御できるようにすることで,ユーザが直感的に操作できる方法を提案する.