医療と社会
Online ISSN : 1883-4477
Print ISSN : 0916-9202
ISSN-L : 0916-9202
特集論文
医療機器の開発及び審査を巡る諸問題
児玉 順子
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 19 巻 1 号 p. 51-71

詳細
抄録

 在日米国商工会議所(ACCJ)の「2008年デバイスラグ調査」(調査期間:2005年4月~2008年3月)によれば,新医療機器(以下,「PMA相当製品」,29品目)の総審査期間は平均21.1ヶ月であった。米国での同一製品の総審査期間が平均10.1ヶ月であることから,日本の新医療機器の審査は米国のそれに比べ2倍以上の時間がかかっているといえる。また,新医療機器以外の製品(以下,「510(k)相当製品」,126品目)の総審査期間は,日本の平均が14.3ヶ月であるのに対し,米国では2.2ヶ月という著しい差を認めた。
日本と海外における医療機器の導入時期の差を「デバイスラグ」と呼ぶ。同調査によると,デバイスラグは,米国と比較すると「PMA相当製品」で約2.9年,「510(k)相当製品」で約3.6年であり,この結果は,2006年に医薬品医療機器総合機構が行った同様の調査と奇しくも完全に一致した。しかし,医療機器の審査自体はここ数年早くなっているので,審査期間の短縮分だけデバイスラグは短縮して然るべきである。
その疑問に答えるため,調査では,デバイスラグを申請前と申請後に分け,これまで全くといってよいほど言及されなかった「申請前の遅れ」にも焦点を当て分析を行った。
その他関連する調査結果も随所に織り交ぜながら,医療機器の開発・申請,承認を巡る諸問題について述べ,可能な限りその解決策についても提言する。

著者関連情報
© 2009 公益財団法人 医療科学研究所
前の記事 次の記事
feedback
Top