精神障害者の地域生活の基盤の一つとなることが期待されているグループホームについて,都市部における開設の困難さとその影響要因について定性的に明らかにするため,東京都と神奈川県でグループホームを運営している法人の職員22名に対してインタビュー調査を行った。分析の結果,グループホーム開設には,《開設費用》,《条件に適う物件の探索》,《不動産業者・家主の抵抗感》,《周辺住民の反対》といった困難があることが明らかになった。また,《開設費用》には〈自治体の補助金〉,〈地域の賃料水準〉,〈付加的な経費の有無〉,〈入居者が決まるまでの期間〉が影響していた。《条件に適う物件の探索》には〈地域の物件供給の特徴〉,〈自治体の開設条件〉が影響していた。《不動産業者・家主の抵抗感》には〈運営法人の実績〉,〈病院のバックアップ〉,〈不動産業界の景気〉が影響していた。《周辺住民の反対》には,〈精神障害に関する事件報道〉,〈事前の説明〉が影響していた。グループホームの整備を促進するためには,開設費用負担の軽減,不動産業者・家主とグループホーム運営法人の連携作りといった工夫が求められる。