医療と社会
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特集:ヘルスケアにおける連携(Ⅱ)
多職種連携を支える情報共有基盤に関する考察
2025年の在宅医療ニーズを満たすために必要なICTの利活用
山口 典枝
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2013 年 23 巻 1 号 p. 29-41

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抄録

高齢化の更なる進行や疾病構造の変化など地域医療連携ニーズの多様化に対応し,できる限り在宅で過ごしたいという患者・家族の要望に応えるためには,医療・介護サービスを提供する限られた人的資源を有効的に活用する必要があり,それを支える仕組みづくりが急務となっている。
地域包括ケアの理念を踏まえ,なかでも在宅医療連携の協業におけるニーズを満たすためには,医師・看護師等によるICTを利活用した多職種協働とそれを支える情報基盤,さらにはその導入に伴う業務改革が不可欠である。
ケアカンファレンスを中心とした多職種連携の実績が長く,地域包括ケアの先行モデルである「尾道方式」を,多職種間での情報共有やコミュニケーションに焦点をあてて考察したところ,成功の要件は下記の通りと考えられる。
①地域の施設がつながる幅広い連携ネットワークがベースとして構築されていること
②(患者・家族を含む)多職種チームメンバー間のコミュニケーションツールが提供されていること
③ラーニングオーガニゼーションとして機能可能な情報の流れや学びの仕組みがあること
④コアとなるチームメンバー以外の専門家の支援を仰げる仕組みが確立されていること
以上4つの視点から,「情報共有およびコミュニケーションにおけるICT利活用の可能性」について検討し,限られた人的資源を効果的に活用する仕組を構築する際に参照可能なフレームワークと照らし合わせて,事例を分析する。

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© 2013 公益財団法人 医療科学研究所
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