医療と社会
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特集:健康格差とソーシャル・キャピタルの『見える化』
地域診断のための健康格差指標の検討とその活用
近藤 尚己
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2014 年 24 巻 1 号 p. 47-55

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抄録

保健活動の現場における健康格差の評価に有用な指標について文献レビューを行い,候補指標について,既存のデータを用いて試算し,活用に向けた課題抽出を行った。データには,2010年から11年に全国28自治体117,494名の高齢者(65歳以上)を対象に行われた調査(回収率66%):日本老年学的評価研究(JAGES)を用いた。レビューの結果,健康指標値の差やその比に加え,それらと類似の解釈でありながらバイアス制御や比較可能性の点で有利な指標として格差勾配指数(Slope Index of Inequality:SII)格差相対指数(Relative Index of Inequality:RII)およびその変法(Kunst-Machkenbach's RII(RIIKM))を状況に応じて使い分けることが妥当であると考えられた。JAGESデータを学校区別に集計し,市町村単位で抑うつリスク者割合,閉じこもり者割合について値の差・値の比・SII・RII・RIIKMを算出した。等価世帯所得・学歴・最長職の主成分得点を学校区の社会経済的な困窮度指数として,そのランクによる健康格差を算出した。SII,RII,RIIKMは安定的に算出されたが,値の差や比は偶然誤差の影響を強く受けた。各指標の特性・利点・欠点を踏まえたうえで,これら指標の活用法について普及を進めていくべきである。

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© 2014 公益財団法人 医療科学研究所
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