医療と社会
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情報技術と医療の質向上
病院管理実践の視点から
飯田 修平
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2001 年 10 巻 4 号 p. 51-65

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抄録
医療改革といいながら,医療経済すなわち医療保険財政優先の議論に終始している.医療制度すなわち良質の医療を提供するための,ありたい姿の議論が必要である、改革とは根本的に仕組みや考え方を変えることである。自分の意識改革であり,価値観の転換である。
医療改革を考えるに当たり,医療の何に問題があるのか,何に関して,どの立場で議論しているのかを明らかにしなければならない。病院管理者の立場で,医療機関あるいは医療関係団体の医療改革への対応を,特に,情報技術と医療の質向上の切り口で報告する。
望ましい医療のあり方は,(1)患者の要望に適合する(2)医療従事者の生き甲斐に合致する(3) 関係者が安心でき,信頼できることである。病院のあり方は,(1)組織として機能させる(2)患者・家族・地域・職員等すべての関係者との信頼関係に基づく(3)社会的存在であると認識することである。
組織の有機的連携を図るには,情報技術の活用が必要である。情報技術活用の意義は,情報の共有と標準化である。個々の医療機関の努力だけでできるものではない。病院団体が,共通の目的・方法・基準で,データを収集する事が必要である。
医療経営においては,データ(事実)に基づいた経営,現実をふまえた経営が必要である。これをEvidence Based Management(EBM)と呼ぶことを提唱したい。
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