本研究では、特別支援学校の現場実習において高等部教員の指導・支援に寄与するためのガイドラインの開発を目的に、デルファイ法(専門家に対して原案の提示とコンセンサス判定の手続きを繰り返し行い、合意形成を図る研究手法)を用いて、現場実習のフィードバック場面における指導・支援方法を記載したガイドライン内容の検討を行った。研究協力者としてX県の知的障害を主とする特別支援学校12校から、進路指導を専門とする教員を選定してもらい、調査のためのガイドラインの原案には、これまで特別支援学校の高等部教員が、現場実習を通して実践してきた取組について集約・整理した先行研究を用いた。その結果、2回の調査を通してガイドライン内容は高いコンセンサスを得ることができた。理由として、ガイドライン内容が教育現場の実践とつながりやすく、特別支援学校の教員が抱く課題に対応していることが考えられた。