主催: 独立行政法人 科学技術振興機構, 一般社団法人 情報科学技術協会
p. 145-149
2003 年度より、高校における普通教科のひとつとして教科情報が施行され 10 年が経過した。2013 年度に入学した学生の情報教育は、ローマ字を学ぶ小学校 4 年生ごろにはすでに始まっている。中学校では生活科目や技術や家庭科で行われていることが多い。高校では基本科目の 5 教科と同様に情報が行われている。そのような状況にもかかわらず、大学に入学する学生の情報能力は我々の想像以上にばらつきがあり、多様化が認められる。さらに情報や機器の活用、倫理的態度や安全に配慮する教育が十分に行われているとは思えないことが感じられる。情報の知識や技能が社会生活に必要不可欠である以上、大学において社会人としての学習能力を育成するための入学時初期教育(以後 FYE と記す)や情報基礎能力を育むカリキュラムの検討が必要であると我々は考え1)、その基礎資料とするため大学において必要とされる情報活用の実践力の定着、情報に対する態度および規範意識の調査を行った。